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音楽レッスン帳

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幻想交響曲 2/3

ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14 ある芸術家の生涯の挿話
Symphonie fantastique,Op.14
Épisode de la vie d'un artiste, symphonie fantastique en cinq parties



~ プログラム


はしがき
 作曲者はある芸術家の生涯のさまざまな状況を、それらが音楽的な要素をもっている限りにおいて詳しく描くことを目的とした。この器楽によるドラマの筋立てというものは、言葉の助けがないのであるから、前もって提示される必要がある。したがって、以下のプログラム1)  は オペラの台詞のテキストのようにみなされるべきであり、それぞれの楽曲を準備し、それらの性格や表現を説明するのに役立つのである。


第一楽章
夢 ― 情熱
 作者が想定したのは、ある高名な作家が「情熱のうねり」と呼んだ精神面の病に悩まされているひとりの若い音楽家が、夢に描いていたあらゆる魅力を一身に備えた理想の女性を見初めて、狂おしいほど恋こがれるようになるということである。奇妙なことに、恋人の姿はこの芸術家の頭のなかにつねに一つの楽想と結びついて現れる。彼はその楽想のなかに、愛する人に与えたのと同じ性格――情熱的ではあるが、高貴で控え目な性格を見出す。
 この旋律的な反映像は、そのモデルとともに、二重のイデー・フィクス〔固定観念〕として絶えず彼につきまとう。そのため、この交響曲のすべての楽章で、最初の「アレグロ」を開始する旋律がつねに現れるのである。このメランコリックな夢の状態が、理由のない歓喜が何度か爆発することによって中断され、錯乱した情熱の状態へと移っていき、怒りや嫉妬の衝動を見せ、もとの優しさに戻り、さらに、涙、宗教的な慰めが現れるというのが、第一楽章の題材である。


第二楽章
舞踏会
 この芸術家は非常に変化に富んだ状況に置かれる。「祭りの喧騒」のなかにいたり、自然の美しさを心静かに眺めたりするのである。だが、街でも、野原でも、どこにいようと恋人のイメージは彼の前に姿を現わし、彼の心を騒がせる。


第三楽章
野の情景
 ある日の夕方、彼は野原で、二人の羊飼いが「ラン・デ・ヴァッシュ〔牛追い歌〕」を吹き交わしているのを遠くに聞く。この羊飼いの二重奏、周囲の風景、風に優しくそよぐ木々の軽いざわめき、彼が最近感じはじめた希望の理由、これらすべてがいっしょになって、彼の心にいつにない静けさをもたらし、彼の思考により喜ばしい色彩を与える。彼は自分の孤独について思いをめぐらす。彼はやがてひとりぼっちでなくなることを願う・・・・・・だが、もし彼女が裏切ったら!・・・・・・希望と疑惑のこの混じり合い、いくぶん暗い予感に邪魔されるこの幸福の思いが、「アダージョ」の題材となっている。最後に、羊飼いの一人がラン・デ・ヴァッシュをふたたび吹くが、もう一人はもはや答えない・・・・・・遠雷の轟き・・・・・・孤独・・・・・・静けさ・・・・・・


第四楽章
断頭台への行進
 自分の愛が報いられないと悟った芸術家はアヘンで服毒自殺を計る。麻薬が、致死量に足りなかったために、彼は眠りのなかで非常に恐ろしい光景を見る。彼は夢のなかで、愛する女性を殺し、有罪を宣告され、処刑場に連れていかれ、「自分自身の処刑」に立ち会う。行列はあるときは陰気で荒々しく、あるときは輝かしく荘厳な行進曲を伴って進む。この曲では、重々しい歩みの鈍い物音が突然非常に騒がしい響きへと変わる。行進曲の最後で、「イデー・フィクス」の最初の4小節がふたたび現れる。致命的な一撃によって断ち切られる愛の最後の思いのように。


第五楽章
サバトの夜の夢
 彼はサバト〔魔女たちの夜宴〕の席で、恐ろしい亡霊や、魔女や、あらゆる化け物たちに囲まれている自分の姿を見る。彼の葬式に集まってきたのである。異様な物音、うめき声、けたたましい笑い声、遠くの叫び声、それに答えるような笑い声。恋人の旋律がふたたび現れるが、高貴で控え目な性格は失われている。それはもはや下劣で、野卑で、グロテスクな踊りの旋律でしかない。これがサバトの席に姿を現した彼女なのだ・・・・・・彼女の到着を喜ぶわめき声・・・・・・彼女はこの悪魔的な乱痴気騒ぎに加わる・・・・・・弔いの鐘、「ディエス・イレ」2) を下賤に茶化したパロディー、「サバトのロンド」が続く。サバトのロンドとディエス・イレがいっしょになる。


 ※) 1845年出版のスコアに掲載された稿。

1) このプログラムを、この交響曲が演奏されるコンサートで聴衆に配布することは、
 作品の劇的なプランの完璧な理解に不可欠である。〔HB(エクトール・ベルリオーズ)〕
2) カトリック教会の葬送の儀式で歌われる讃歌。〔HB〕


(訳:井上さつき)




概要
楽曲分析








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[ 2011/01/04 11:01 ] 楽曲分析 | TB(0) | CM(0)
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