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音楽レッスン帳

クラシックピアノ・ジャズピアノ・エレキギター・作曲・DTM・オーケストラ・パーカッションのレッスン日記 ♪ 姉妹サイト「ニョキリサ」もよろしくお願いします(๑˃̵ᴗ˂̵)

内敵には勇、外敵には畏れ

内敵には勇、外敵には畏れ

 およそ人間の身体は弱くもろく、しかもむなしい。風前の灯のように消えやすい。思えば心細いことだ。つねづね慎んで身をたもつべきである。まして内外から身を攻める敵が多いのだから、まことに危険である。まず飲食の欲、好色の欲、睡眠の欲、あるいは怒、悲、憂という敵が身を攻めてくる。これらの敵はすべて身内から生じて身を攻める欲だから内敵である。なかでも飲食・好色は内欲から外敵を引きいれてくる、もっとも恐るべきものである。
 風・寒・暑・湿は、身の外からはいりこんでわれわれを攻めるものであるから、外敵という。ひとの身は金や石で作られたものではないので、破綻しやすい。ましてこのように内外に大敵を受けるのであるから、内の慎みと外側の防御なくしては、多くの敵に勝てない。きわめて危険である。だから人びとは長命をたもつことが難しい。十分に用心をして、たえず内外の敵を防ぐ計略がなくてはならない。敵に勝たなければ、攻められて身の破滅をまねくのである。
 内外の敵に勝って身をたもつのも、養生の術を知っていてよく防ぐからである。生まれつき気が強く壮健であっても、術を知らないと身体を守れない。たとえば、勇気ある武将でも、知なく兵法を知らなければ敵に勝つことは困難であろう。内敵に勝つには、心を強くして忍耐することである。忍とは我慢することだ。飲食、好色などの欲望は、強くたえて気ままにしてはならない。強い精神力なくしては内欲に勝てないのである。内欲に勝つのはさながら猛将が敵をおしつぶすようにすることである。すなわちこれが内敵に勝つ兵法なのである。
 外敵に勝つには、それを畏れて早く防ぐことだ。たとえていえば、城中にこもって四方に敵を受けて、油断なくこれを防ぎながら城をかたく守るようにすべきである、というようなものであろう。風・寒・暑・湿にあったら、畏れて早く退くことが必要で、この時ばかりは忍耐しないのが得である。
 古語に「風を防ぐ事、矢を防ぐが如くす」、という。四気の中で風・寒はもっとも畏るべきであろう。長いあいだ風・寒にあたってはいけない。およそこれが外敵を防ぐ兵法なのである。内敵に勝つには勇ましく強く勝つがよい。しかし外敵を防ぐには、畏れて早く退くのがよく、勇敢であることはよくないといえよう。


【引用文献】
『養生訓』(1982年)貝原益軒著/伊藤友信訳/講談社学術文庫(ISBN4-06-158577-0)より
巻第一 総論 上 第20節



 
 『養生訓』 は、私が17年前の大学時代、倫理学の授業で使っていた教科書でした。当時の教授に、よくぞ良書を選択してくださったと感謝しています。この書は江戸時代の儒学者、貝原益軒が亡くなる前々年の83歳の時に書かれたものです(出版は84歳、正徳3年1713年)。


 何事も健康があってこそですね。自分を過信して無理をしては長くは続けられないでしょう。何事も中道が良いと先人たちもおっしゃっています。自分を極端へ追い込まず慎み労り、日々楽しみを持ってゆったりと過ごしましょう。それが結果的に長く生き残るための兵法なのですから。短命では能力はあっても残せません。はるか遠くの理想を追い求めてばかりで、それよりも実現可能な一番身近な日常や心身について管理しないのは愚かであると益軒先生は言います。まさに賢者の教訓です。時々読み返しては、襟を正しています。頑張る方向、順位を間違えないように!








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[ 2011/02/15 23:17 ] 日記 | TB(0) | CM(0)
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