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音楽レッスン帳

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記憶の香り

「記憶の香り」: AirPlug〈*〉 (井上尚子・柴山拓郎)+塾生

2008年11月26日/慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎イベントテラス


【概 要】
 「語る」「想う」「触れる」「集める」をテーマとする4ブースの空間を、香りと電子音響でつなぎ、刺激されたその嗅覚や聴覚から来場者の記憶の回想を促すというもの。会場となるキャンパス内の学生等の個人的な香りのエピソードを様々な手法で表現し、来場者の「記憶の香り」とリンクさせ共有する。

 「語る」では、キャンパス内の学生や教師、そこで働く警備員、清掃員等約30名にインタビューし、その模様を録画したものをテレビで放映している。その内容は、「あなたの記憶に残っているにおいは何ですか?」、「その香りは好きですか?」、「エピソード」の3つの問いかけに対する返答。
 「想う」では、小中学校の教室にある懐かしい机と椅子が8組、円を囲むように設置され、机の上には様々な香りが入った小瓶が一瓶ずつ置かれている。香りの内容は、コーヒー、チョコレート、ハーブ、香水、柑橘などで、どれもこの学生等の思い出深い香りである。机の中にはその香りにまつわるエピソードが書かれた紙がそれぞれ数十枚入っている。
 「触れる」では、古着が展示され、身につけていた人の衣服にしみついた香りを嗅ぎ、それを手に取り肌から伝わる感触を味わう。その脇には、以前ハンドボール部のマネージャーをしていたという女子学生の思い出深い松脂がおかれ、その香りがあたりに漂う。
 「集める」では、放課後を思わせるような照明を落とした空間に、机と椅子が4組設置され、アンケート用紙と鉛筆が置かれている。これまでの余韻に浸りながら、来場者自身の「記憶の香り」を用紙に書き足し、机の中にしのばせ、提供者と来場者の共同作業がここに完結する。


【考 察】
 記憶とは、その時無意識に嗅いでいるにおいと連動しているようである。例えば新しい本のにおいを嗅ぐと新学期が始まる緊張感や期待感がよみがえってくるような感覚であろうか。香りにまつわる様々なエピソードを読むと、面白いことがわかる。ある香水を嗅いだ一人の男性は、大好きであった元カノがつけていた香水だから「好き」だと答え、一方ある女性は、元カレがつけていた香水だから「ウザイ!」と答えていた。同じ香水でも、人それぞれ好き嫌いが分かれたりする。異なる感覚や感情だからこそ、人と人は分かり合うために歩み寄り、語り合い、影響し合い、そこに新たな発見があったりする。人と「違う」ことは、素晴らしい個性なのだとあらためて感じることができる。
 一連の電子音響には、電車の走る音、階段を駆け上る足音、水洗トイレを流す音、鳥の鳴き声、公園で遊ぶ子供達の笑い声などが、BGMという脇役に留まることなく、「香り」と対等な重きで使われていた。



*香りと音をテーマに、五感を刺激し、体験する人の記憶を呼び起こすような空間作品を制作するユニット。







AirPlug(井上尚子・柴山拓郎)インタビューメモ (2008年11月26日)


視覚と聴覚とのギャップ
ここにいた人がきいている音(足音)だとか、トイレの流れる音、ここに来る時に聞いてきただろう音(電車や駅などの音)
想起させるもの
個々の発想と発見
人それぞれ違う回想
人のはなしをきくことでよみがえる香り
視覚や聴覚だけではない作品
光と香りと音
男性:好きだった彼女がつけていた香水だから「好き」
女性:うざい元彼がつけていた香水だから「嫌い」
人それぞれのちがいのおもしろさ
「好き」夕立のにおい、母が学校まで迎えに来てくれた
飼っている犬のにおい、家族のにおいほっとする
キャラメルのにおい、おじいちゃんの家にあった
図書館のにおい
おばあちゃんの家のにおい
朝のにおい 新鮮で冷たい感じ
「嫌い」入試会場
それぞれのストーリーが香りにかくれている
古着は誰かのにおいをうけついでいく
前に住んでいた家も、誰かのにおいをうけついでいく
松脂
ハンドボール部で手につける松脂とクリーナーのにおい=部員との思い出
石鹸や救急箱にもつく
そういう経験のない人が松脂をかぐとまた違ったかんじになる
小さい子供はなつかしいとか思わないと思うが、新しい発見になる
性別や年代などによってもにおいの印象がちがってくる
普段は気付いていないにおいが、記憶と結びつく
臭いにおいや怖い音は身の危険を感じるといわれている
ハグする理由 コミュニケーションしながらにおいで健康かどうかをみる
鼻のたかさは寒い地の人種にかなっている
エスキモーは鼻をつけあってにおいを嗅ぎあいさつする
あかちゃんのにおい 死んだおじいちゃんのにおい 怖くなる
においから始まりにおいで終わる気がする
融合と統合
音・香・自分
においは触ると同じくらいにリアル

(2008年執筆)


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[ 2012/04/12 01:58 ] 美術 | TB(0) | CM(0)
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